上海まさかの最終日

2016年5月9日

午前中銀行カード紛失の手続きに時間を費やした私は、12時に待ち合わせした店に到着した。チェンアヤはまだ来ていないようだ。しばらく待っていると携帯に連絡が入った「3名で予約しているから先に入って待っていて」っと。3名!?まさかあいつこの期に及んで第3者をこの場に連れてこようというのか?

見事に予想は的中した。いつもの笑顔で小走りでやって来たチェンアヤはなんとお母さんを連れて来た。いやもうお母さんとは昨日お会いしているし、今日最終日でもうそんなに時間もないし、次いつ会えるのかわかんないし、一瞬で複雑な感情が頭を駆け巡った。今となったら失笑に付すこともできるのだろうが、その時の私のテンションの落ち具合といったらなかった。もちろんお母さんに失礼のない程度に平静は装ったが正直何を食べたのか、何を話したのか覚えていない。

いやまぁ1日目からのチェンアヤの行動を省みると、このような状況も想像できなくもなかったのだが私自身カード紛失の件もあり昨日の時点で確認まではできなかった。食事を終え案の定3人で私のフライト時間まで周辺を散策することになった。

結局チェンアヤとはこの日もまともに会話ができなかった。フライト時間にはかなり余裕があったがタクシーに乗り込み空港へと向かった。あまりにテンションが落ちていたため出発前に広州空港で買ってきたプレゼントも渡すことができなかった。

広州に帰っても私の心のもやもやは晴れなかった。なぜこんなに複雑な気持ちになったのか、なぜあんなに気落ちしてしまったのか、心の整理がつかなかった。自分が思っていた以上にチェンアヤと2人の時間を共有したいと思っていたこと、事前にそれをしっかり伝えられなかったこと、肝心なところでカードを紛失してしまったこと、今回初めて会ったことでひょとっしたら友人以上の感情が生まれてしまったのではないかということ。理由はいくつか考えられるが明確な答えは今もクリアにはなっていない。

しかし日本とトロント、地球の裏側で生活していた日本人と中国人がネットで知り合い上海で会えたという事実。よく考えたらそれだけでけっこうな奇跡なのだと思う。全体的に思うようにいかなかった上海旅行だったが唯一「外滩」で過ごしたあの瞬間だけはとても素敵な時間だった。

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