おすすめ度:★★★★★
公開:2011年02月5日
監督:九把刀
出演:柯震东、陈妍希、敖犬、郝劭文、蔡昌宪、胡家玮
時間:110分
作家でもあり映画監督でもある九把刀が自身の半自伝的小説を映画化した初監督作品。
精诚高校に通う柯景腾は日々の高校生活にやりがいを見いだせず、幼稚ないたずらを繰り返す日々を送っていた。
生活態度の悪さが原因で優等生であり男子生徒の憧れの的である沈佳宜の前の席に配置される。
あることがきっかけで沈佳宜を助けた景腾は、なぜふざけてばかりいて勉強をしないのかを問い詰められる。
試験の成績を巡り沈佳宜と賭けをした景腾はいやいやながらも勉強に打ち込み始める。
賭けには見事に負けた景腾だったが、
沈佳宜との仲は次第に深まってゆくのであった。
高校卒業を間近に控えた大学入試、同じ大学を受験した2人だったが、体調不良のトラブルが有り沈佳宜は合格できず強いショックを受ける。
それでも滑り止めの師範大学に進学することになった沈佳宜、それぞれのステージに向かって物語は進み始める。
お互いの気持を確認しながらも、もう一つ前に進めない2人に決定的な事件が起き…。
当時台湾で記録的なヒットを飛ばした本作品、日本でも「あの頃、君を追いかけた」という邦題でリメークされている。
中華系青春恋愛映画として一つの高みに到達したといっても過言ではない作品、何度見てもラストのあるシーンでどうしようもなく胸が締め付けられる。
この映画を名作たらしめる要因の一つに、ヒロイン沈佳宜を演ずる陈妍希の人選が秀逸なのは言うまでもない。これ以上美人でもダメ、これ以上可愛くなくてもダメというギリギリの線を見事に見極めた監督の手腕が光る。陈妍希自身も優等生として表面は強気だが内面の脆さを併せ持つ不安定な年頃の女の子を見事に演じている。ちょっとした目の動きで微妙な心情の変化を表現する演技が秀逸。
舞台は1994年を舞台にしており台湾の当時の高校生活が瑞々しく描かれている。大陸の青春映画の学校生活と比べてもやはり台湾の方が自由で日本に近い感覚を受ける(中国大陸の高校生活は過酷な受験戦争にさらされている描写が多い)。監督が日本の漫画世代でさりげなく「スラムダンク」や「ドラゴンボール」「はじめの一歩」ネタが入るところも時代を感じさせる。
公開から10年経ったいまでも色褪せない名作。以下予告編。
PS:日本リメーク版は駄作の匂いがプンプンするため未だ見ていいない。