おすすめの中国映画【在世界中心呼唤爱】

2017年5月15日

おすすめ度:★★★☆☆
公開:2016年8月公開
監督:郭在容
出演:欧豪,张慧雯,杨紫,王智,姚橹
時間:1時間30分


かつて日本で一大ムーブメントを引き起こした「セカチュー」こと片山恭一原作「世界の中心で愛を叫ぶ」の中国リメイク版。オリジナルが公開されたのが2004年、ちょうど私がT大学の夏季短期語学留学で大連に行った年で主題歌平井堅の「瞳をとじて」が大ヒットしていた。日本のオリジナル映画がどれほど中国で受け入れられたかはわからないが、こうしてリメイクされているということはそれなりに当時の中国の若者世代にも支持されていたのだと思う。

ネット上の爱奇艺という動画視聴サイトで見てみたが、まぁ普通に面白かった。普通に感動もしたし涙腺も緩んだ。しかしなんだろう、何か、何かが足りないのだ。そういえばセカチューといえばあの名台詞「助けてください!」の場面がなかったなぁ。てっきり中国語で「救命啊!」とでも訳すかと思っていたのだが。いやしかし本当にそれだけなのだろうか?どうも引っかかった私はオリジナル版も見てみることにした。

【世界の中心で愛をさけぶ】2004年5月公開
出演:大沢たかお、柴咲コウ、長澤まさみ、森山未來、山崎努

流行りものにそれほど興味のなかった私は、当時好きだった女の子との話題作りのためにDVDを借りて見た記憶がある。そんな不純な動機で見たせいか、あれから12年の歳月が経ちほとんどと言っていいほど内容を忘れていた。今改めて見てみてすごく丁寧に作品が作られていると感じた。

俳優もそれぞれの持ち味でみごとに役柄を演じている。大沢たかお、柴咲コウ、森山未來、山崎努それぞれ素晴らしいが、特筆すべきは長澤まさみだと思う。主人公の少年時代のヒロインを神レベルの可憐さで演じている上、白血病で死にゆく少女を演じているため彼女自身が頭を映画のために剃り上げている。

公開時もかなり話題になったが恐らく当時10代だった女の子が頭を剃り上げるという行為は、賛否両論あっただろうし相当な覚悟あってのことだったのではないかと思う。何かのドキュメント番組で見たのだが頭を本当に剃ることは長澤まさみ自身が自分で決断したらしい。ここからは私の推測だが最後のシーンを撮るために彼女に自らその決断をさせるだけの何かがこの作品には、制作現場にはあったのだと思う。

それは計300万部を売り上げた原作小説自体が持つ力なのか、監督の作品にかける情熱だったのか、俳優達の作品にかける想いだったのかは定かではない、しかしその何かが中国のリメイク版には明らかに欠けていることは確かだと感じた。そういえばリメイク版のヒロインは髪の毛が無くなるシーンはなかったし、白血病という設定自体が他の病気に変わっていた。

まぁこの辺は国の事情も違うので一概に論じることはできない。一作品のために人気女優が頭を完全に剃り上げるという行為は、当時の日本でもかなりセンセーショナルに取り上げられたからだ。ただ先にも書いたがオリジナルの「助けてください!」のセリフで知られている、無力な青年が必死で運命にあらがおうとするあの名場面がなかったのも物足りなさを感じてしまった原因の一つだと思われる。

映画「世界の中心で愛をさけぶ」は2004年日本の実写映画NO1になった他、セカチューブームといわれる社会現象を引き起こした。代わってリメイク版「在世界中心呼唤爱」は中国どころか日本でも話題にさえ上がっていない。

いやまぁ決して面白くない訳ではない。普通に感動もするし、その辺に溢れている内容のないお涙頂戴映画に比べればよっぽど面白い。とてもよくできている作品だとも思う。ただオリジナルと比べると何か、決定的な何か、強いていうのであれば「覚悟」のような、とにかく決定的なものが足りないと感じた。

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